“波濤切り裂く意思”

パッツ=コモウ

作者:MUMU

■設定関連
■プロフィール

 キャッチコピー:波濤切り裂く意志
 キャラクター名:パッツ=コモウ
 性別:男
 年齢:17歳
 身長:176センチ
 体重:55キロ
 国籍:タヒチ
 血液型:A型
 職業:漁師
 趣味:遠泳
 特技:バタフライ
 好きなもの:ハンモック・
 嫌いなもの:水中銃・トローリング船
 大切なもの:妻(リザ=パド 16歳)
 苦手なもの:飛行機・タコ
 好きな食べ物:モンブラン(一度だけ、村長の海外みやげで食べた)
 好きな音楽:妻の歌うものなら何でも
 得意スポーツ:フリーダイビング
      (コンスタント種目:自己記録89・6メートル)
 格闘スタイル:足技系・バタフライキックのような技を使う。

■外見

 南米風の黒々と日焼けした肌に、首の辺りまで伸びたぼさぼさの髪、
 海によく潜っているため、塩気を含んでドレッドヘアーのように
 なっている。全体としてはスレンダーな体つきだが、両肩、胸部、
 大腿部など、泳ぐために使われる部位の筋肉は目立って発達している。

 上半身は裸で、両腋にリストバンドのような布を巻いている。
 下は膝までの短パンに、脚に巻きつけているような印象の
 しっかりとしたサンダル。瞳の色は紺碧。唇はやや厚く、
 目鼻立ちの整ったいかにも南の島の美少年といった顔立ちだが、
 目つきは割と鋭く、あまり笑顔は見せない。

■背景設定

 両親は、タヒチで暮らす平凡な漁師だった。
 その父親も、その前も、そうだったのだろう。だがある日、数百年
 ぶりという大嵐の日に、一人の若者が産声を上げた。その子もまた、
 ごくごく平凡な漁師として暮らしていくはずだった。

 だが、その子はどこか違っていた。
 7歳のときシャチを仕留めた。10歳で遠くフィリピンまで魚を
 売りに行き、12歳でもはや誰も適わないほどの漁師に育っていた。
 15で村長の娘を娶り、こういった天才児にありがちな都会への
 憧れを抱くことも無く。ただただ海に潜り続けた。何も変わらない
 平和な日々、パッツ自身も、己に待ち受ける運命など知るよしも
 無かっただろう。

 ただ一人、
 彼の妻であるリザ=パドだけは感じていた。
 パッツの青い瞳の底知れぬ深さに、浮世離れした能力を
 持つ人間だけが有する、あのどこかへ行ってしまいそうな
 危うさが宿っていることに。

 あるとき、付近の浜辺に男が打ち上げられた。体中を筋肉の鎧で包み、
 これ以上ないというほど鍛え抜かれた男である。
 満身創痍でありながら、男は数十キロ先の島から泳いでここに
 流れついていた。

 男を最初に見つけたのは、当然のようにパッツだった。
 「…おまえ、なぜこんな怪我をしている?」
 「ま…、負けた…からさ、ち、ちくしょう…」
 男はパッツの耳元で、しばし何かを呟いた。
 「F―1 …そんなものが…」
 男はそのまま意識を失い、数日後、大きな島の病院へ送られた。

 脚が、唸りを上げて椰子の木を打つ。
 全身が一匹の魚のように優雅にひるがえり、両足をそろえたまま、
 股関節、膝間接、そして足首へと力が連動する鞭のような蹴り。
 人間が生み出したとは思えないほどの衝撃に、立派な椰子の木が他愛も
 なく揺れ、もうやめてくれと言わんかのように椰子の実をばら撒く。

 −知らなかった−
 こんな力の使い方を、人と人とがぶつかり合う世界を。

 −そして、俺は知りたい−
 自分は、あの打ち上げられた男より強いのか?
 あいつを負かした誰かよりは?
 そして、どうして俺は、こんなにも自分の強さを知りたがっている?
 魂が、燃え上がっていた。もはや消すことのできない若さと才気の炎。
 それは全身の細胞を沸騰させ、すさまじい衝動となってただ
 ひたすらに筋肉を酷使させる。

 気配に振り向く。
 そこには、彼の妻がいた。何も言わずにただその場に佇んでいる。
 パッツもまた、何も言わなかった、互いにほんのわずか
 悲しげな視線を交わし、その場でどちらからともなく抱き合った。

 ――寄せては返す波音は、いざや誰かを呼ぶ声のごとく――

■格闘スタイル解説

 人間の泳ぎ方は異常であるという。

 もともとは一枚の尾鰭であった両足を、バタ足のように交互に
 動かすことは、多くの運動エネルギーが泡に化けていることから
 見ても無駄が多いことは明白である。パッツの泳ぎ方は両足を
 そろえ、股下全体を一枚の鰭と変えて泳ぐもので、スピードは
 出るものの相当な筋肉の運動量を伴い、天性の素質がなければ
 とても真似できない。(実際、バタフライ競技でもドルフィン
 キックは姿勢制御のためのものであり、推進力を得る手段としては
 重視されていない)。

 その鍛え抜かれた両足をそろえ、一度に打ち付ける技こそが
 パッツの切り札であり、その威力は片足でのあらゆる蹴り技に
 勝るという。もちろん、ただ脚を相手にぶつけるだけのプロレスの
 延髄斬りとはワケが違い、
 パッツの脚は時に二本で一本のような動きをする。

 格闘ゲームとしての性能は、基本的に一撃の威力が高い打撃タイプ。
 通常技のリーチも長めなので、拾いに牽制にといろいろに使える。
 反面必殺技が大味なものばかりなので、確実に当てるようにしなければ
 容易に反撃を食らう。

■技関連
■ダッシュ

ランタイプ、速度は中ぐらい

■通常技

 K攻撃の性能がひときわ高いが、出戻りは遅く、
 単発で出していくのは危険が大きい。
 P攻撃はリーチが短く、牽制としてもいまいち使いづらい。
 地対地よりは地対空、空対空のほうが少しは得意。
 特に投げキャラに対しては地上で接近するのは危険なので、
 飛込みを中心に据える必要がある。

■特殊技

中K
 後ろから前へ回転する宙返り、両足をそろえて、相手の頭めがけて
 かかとを振り下ろすような動き。中断判定で、しゃがみガード不可。

相手の近くで中K
 相手の踵をはらうようなローキック。コンボの基点となる技で、
 技の出が非常に早いので、接近したらとりあえず使うべき。

強K
 片手を突いて、コンパスのような動きでそろえた両足を円錐状に
 回転させる。脚払い性能があり、ヒットするとダウンを奪える。

■コンビネーションアーツ

 やはりK攻撃を絡めたものが多く、Pを絡めたものは密着した状態
 からのものに限定される。コンボルートはそれほど多くないが、
 総じてダメージ量は大きく、頻繁に狙っていくほうが良い。

■投げ技

ライバック(強P)
 相手の肩に手をつき、飛び越えるようにして相手の背中に落ちる。
 手をついて逆立ちのような体勢になり、そのまま相手の片方の肩に
 4の字に脚を絡めて投げ飛ばす。相手は画面の半分くらい飛ぶ

脛払う波(強K)
 すばやく這いつくばるような姿勢になり、脛を外側に蹴っ飛ばして転
 ばせ、蹴ったほうの足をすばやく上に持ち上げ、直上から叩きつける。

■ガードキャンセルアタック

 上段の回し蹴りにあわせて、上半身を後方で深く沈める蹴り、
 ちょうどカタカナの「イ」のような姿勢になる。
 ヒットで相手を大きく吹き飛ばす。

■必殺技

オーレブ (K)
 一度後方に退いて片手で逆立ちをし、一瞬後に両足をそろえて前方に
 飛び込む蹴り。足の先端の判定は強い。強Kで出すと相手に深く
 めり込むので、ガードされると反撃確定。

ライオンフィッシュ (K)
 両足をそろえて空中でトンボを切る対空系の技。
 入力すると一瞬で飛び上がり、真上に屋根のような逆U字型の
 衝撃波を発生させる。攻撃判定が入力の瞬間に発生するので
 かなり優秀。斜め上よりは真上に対して高い判定を持つ。
 イメージとしては頭の上に衝撃波のバリアーを張るような感じ。

ベーグルフィッシュ (K:連続入力可)
 片手立ちになり、両足を水平に振り回して相手を打つ技、十字架を
 横むきに立てて回したような動き。かなり判定が強く、相手の
 通常技をつぶせることもある。

 弱Kだと足元の高さで、強Kだと斜め上にむかって脚を振る。
 強Kだと打点は高いが技が出るまでの隙が大きく、
 弱Kだと上半身無敵だがコンボルートには組み込めないし、
 コンボの起点にもならない。
 脚の周りにはオーラが発生している。

 3回まで連続入力ができるが、画面端でない限り3ヒットはしない。
 連続入力は相手の動きを封じての固め用に使える。

アーチャーフィッシュ (K:タメ押し可)
 片足を腰の高さに持ち上げて横だめに構え、ボタンを離すと同時に、
 水平に凄まじい勢いで蹴りを出す、蹴り脚はまったく見えないが、
 脚の軌跡には光のエフェクトが発生し、4キャラぶんほどのリーチがある。
 弱Kは普通に、中Kだとやや後退しながら繰り出し、
 強Kだとさらに2キャラ分の衝撃波が発生し、
 計6キャラ分のリーチとなる。

 弱K・強Kはコンボに組み込み、中Kは後退の性能を生かして
 牽制に使うのが基本となる。相手に見極められると簡単に
 飛び込まれるので、単発で使うのは危険。

■秘技

ウイングフィッシュ (K)
 3キャラぶんほどの距離をスライディング気味に飛び込み、
 両足をそろえたサマーソルトキックを繰り出す。キックを出す瞬間に暗転、
 その場で回転するというよりは爪先を上にして真上に飛び上がりながら
 「逆Jの字」を描くような蹴りで、逆Jの字型にエフェクトが発生して多段ヒットする。

 さらに攻撃の成否に関係なく、飛び上がった後に地上4メートルほどの高さから
 きりもみ状に相手に突っ込む。
 このときは片足だけを前に突き出しており、先端にカミナリ状のオーラが付与されている。
 (カミナリ状のオーラがパッツの両側に広がり翼のように見える)

 この蹴りはサマーソルトが地上の相手ヒットしていた場合には
 空中ダウン中の相手に確実にヒットし、ガードされても相手に
 めり込まない限りは反撃を受けない。
 サマーソルトが空中の相手に当たっていた場合、斜め打ち下ろしの
 蹴りはスカることもあるが、相手はダウン復帰不可なので反撃は受けない。
 前方へのスライディングを伴うため、対空には使いづらい技である。

アーバレストフィッシュ『ガムヲプ』 (上・中段技に合わせてP)
 片膝を素早く胸の高さに持ち上げ、相手の攻撃を受け止めると同時に
 膝から下を勢いよく跳ね上げて相手を飛ばす。相手はほぼ真上に
 吹き飛び、降りてきた瞬間、すべての動きがスローモーションになって、
 パッツが空中吹っ飛び状態のまま制止した相手に、高速で
 5発のアーチャーフィッシュを食らわせる。
 このとき、蹴り脚の軌跡が相手の体を突き抜けるような感じになる。
 相手は画面端まで吹き飛ぶ。

 かなり威力の高い当身技だが、タイミングがとてつもなくシビア。
 使いこなせるようになればかなりの強さを発揮する。

■絶技

オルカ (タメK)
 入力すると無敵状態で5メートルほどの高さに飛び上がり、
 体をおもいきり弓なりに反らせる。次いで、イルカが目の前の
 ボールを地面に叩きつけるような動作で両脚を振ると、画面半分から
 向こうの地面に津波のような衝撃波が発生する。

 パッツと地面の間には攻撃判定はなく、あくまでも津波状の衝撃波
 のみに攻撃判定がある。衝撃波は激しく動きながら30フレームほど
 持続し、多段ヒットする飛び道具扱い。
 飛び上がった真下には衝撃波が現れないので、相手に密着して
 いる状態で使っても意味がない。衝撃波に巻き込みさえすれば、
 ガードされても反撃を受けない。

■潜在能力

オドブレブ肺魚 (P (追加入力K))
 入力すると腰を沈めて構え、かなりの速さで前方にダッシュする、
 ノーガード状態の相手に触れると発動、オーラをまとった両手で
 ラッシュを浴びせる。このとき追加入力をすると、両足を突いて
 逆立ちになり、相手のあごを足裏で突き上げるような蹴りを出す、
 その時地面から前に傾いた柱のようなオーラが立ち上がり、
 相手はオーラの衝撃で多段ヒットしながら吹っ飛ぶ。

 追加入力をしない場合ダメージ量は少ないが、
 相手は大きくよろけるので、各種通常技、
 または「ウイングフィッシュ」や「オルカ」で追撃が可能。

■演出関連
■登場アクション

通常A
 肩にモリを担いでいる。それを勢いよく地面に突き刺し、
 根元の部分にローキックを浴びせると、モリがきれいに切断される。
 「誰か、俺を鎮めてくれ…」
 「こんなものは使わない、この体こそ俺の全てさ!」

通常B
 その場で軽くステップを踏んでいる。最後にその場でトンボを切る。
 「さあ、どこまでも付き合ってもらう!」

■勝利・敗北時アクション

勝利時アクション
通常A
 軽く首を振って、肩を回す。
 「満足しろってのか、くそ…」

通常B
 両足で踏ん張り、天に向かって咆哮する
 「オオオ! オオオオオォォオオ!!」

■挑発

 片足を頭の上まで上げて、つま先を手で引っ張る。
 「とっとと来い! まだ続けろ!」
 「まさか怖気づいたか? 殺すほど蹴りはしないさ!」

■勝利時メッセージ

一般
「どうしようもないんだ、この腕が、脚が、
 力を振るえと責め立てるから」

「格闘技は素人さ、海の中では四六時中戦っていたけどな。
 もっともキャリアを比べることになんて意味はない」

「俺の目は、青いから、世界は全て海の中さ。海の中なら負けない」

「リザ…もう少しだけ待っててくれ、
 次のやつを倒したらきっと、きっ、と…」

「お前も飢えているのか?
 安心しな、世界は全て、飢えているからこそ強いんだ」

「弱すぎる…。小魚のほうが、群れている分だけしぶといぐらいだ」

「満たされない…。まだ、深みに至っていないということか」

■ステージ(背景)